身体が硬い人はストレッチという概念でいいの?

2019/05/09 ブログ
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ストレッチをする目的は何だろうと日々考えています。

ストレッチを否定している訳ではありません。

 

 

 

ストレッチとは筋を伸ばす行為です。ゆっくり反動をつけずに伸ばすのが「静的ストレッチ」、関節を動かしながら少し反動をつけて伸ばすのが「動的ストレッチ」。これから運動する目的のアップでは動的ストレッチを行い、クールダウンでは静的ストレッチをおすすめします。

 

目的に応じてストレッチの方法を選んでください。

 

 

 

筋には適した長さ「静止長」があります。短すぎても、長すぎてもうまく働きません。筋の長さを感知する感覚があり、筋紡錘と呼ばれています。

 

筋が急に伸ばされると筋紡錘が感知し、反射で筋は縮もうとします。収縮を促すために筋を急激に伸ばすことは、運動前に必要です。それが「動的ストレッチ」だと思ってください。

疲労などで筋は短縮し、筋紡錘も時々誤作動を起こします。それを正常化させるのが、クールダウンに行う「静的ストレッチ」だと思ってください。

 

 

 

身体が硬い人がいます。みなさんは仰向けに寝た状態で、膝を伸ばしたまま脚が90°挙がるでしょうか。太ももの裏(ハムストリングス)が硬い人は、突っ張ってしまって脚は挙がりません。

脚を伸ばして座った状態で前かがみし、つま先に手が届くでしょうか。同じくハムストリングスが硬い人は手が届きません。

立った状態で膝を伸ばしたまま前かがみして、床に手が届くでしょうか。これも同じくハムストリングスが硬ければ手は届きません。

 

ではハムストリングスをストレッチしましょう。静的ストレッチで筋の柔軟性を高め、届かなかった手が届くようになりました。

 

 

 

これに何の意味があるでしょうか…

床に手が届く競技に勝つために柔らかくしているのなら正解です。

 

 

 

多くの場合、ハムストリングスが硬いことで起こす問題を解決するために柔軟性を高めるべきです。

問題と結果がリンクしていなくてはなりません。

 

 

チアリーディングをしている学生で腰痛のリハビリを受け持ったことがあります。

仰向けで寝た状態で脚を挙げると120°くらい挙がります。通常ではありえないほど柔軟性は高いです。しかし、チアリーディングの世界ではそれでは脚をきれいに挙げることはできません。

もっと脚を挙げるために、腰を曲げて(代償して)高く挙げてしまっていました。

 

目的は120°を130°にすることではありません。チアリーディングできれいに挙げることです。

腰で代償しないための体幹の強化と反対側も含めた股関節の可動域、立って蹴り上げるときのバランス、ハムストリングスの柔軟性は必要な改善点のひとつに過ぎません。

 

 

もちろんストレッチは必要でした。ただ目的を考えると体幹の強化と股関節の可動域が先で、ストレッチも骨盤の代償をしない状態をつくること、最終的には立って片足でストレッチを行うことまで設定する必要があります。

 

 

そして静的ストレッチでは120°を130°にできるでしょうが、実際に踊ることが脚を挙げることに繋がります。ストレッチよりも問題点を改善すれば踊ることが一番柔軟性を高めることになると思います。

 

 

力を入れること、抜くこと。筋が伸びること、伸ばされること。バランスをとったり、いろいろな命令と感覚を使って身体は動きます。その全てを改善させるのは踊ることが一番適したリハビリだということです。

 

 

 

みなもと整体院では、硬いからストレッチという見方はしていません。ストレッチしなくても問題点によっては柔軟性を高めることもできます。

それは個々で問題点が違うので評価しなくてはなりません。

 

そのような対応ができるのがみなもと整体院です。