岩本昌樹、折茂武彦を知っていますか?

2019/05/17 ブログ
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スポーツ選手にとってパフォーマンスのピーク年齢というものが存在するでしょう。競技によっても異なりますが、この先伸びていくのか、落ちていくのかは選手にとって大きな課題となっていると思います。

身体機能としては確実に落ちていきます。総合的に20歳を超えると身体は衰えていきます。歳を重ねてプラスになるのは、経験と精神面と思われます。

今回は年齢を重ねてもなお活躍できる選手には、どんな要素が備わっているかを、いつものように独自の見解で述べたいと思います。

 

 

 

プロスポーツ選手において、年齢を重ねても活躍している選手を挙げてみます。あくまで私の独断での一例です。

 

 

 

プロ野球:工藤公康

29年間の現役生活、引退年齢48歳。

 

Jリーグ:三浦知良

52歳になってもなお現役で輝き続けるキング。

 

Bリーグ:折茂武彦

49歳の今も現役を続け、今シーズン前人未到の通算1万点を記録。

 

Fリーグ:岩本昌樹

2017-18シーズンをもって42歳で現役引退。

 

 

 

これらの選手に共通して言えることがあります。

 

 

 

1 トレーナーの見解で思うこと

 

トレーナーの見解とすれば、身体の使い方がうまいということです。このブログの中で「障害予防とパフォーマンスの向上は同じか?」でも述べましたが、怪我をしにくい身体の使い方をしているからこそ、高いパフォーマンスを維持できていると思われます。

一言で言えば、動きが綺麗なことです。

個別で言えば、工藤選手(ここでは引退した選手、現在も現役の選手もいますが、選手で統一します)は股関節の動きが素晴らしいです。トレーニング分野やリハビリ分野では有名な話ですが、現役時代からトレーニングでの知識が豊富であり勉強熱心です。工藤選手の講演を昨年、今年と聞いていますが、それでいて感覚をすごく大切にしていることに驚きました。

岩本選手は、ステップ動作で身体がブレない。体幹の強さと上下肢の使い方が上手です。特に腕の使い方がうまい。サッカー選手で言えば中村俊輔選手のようです。フットサルは経験こそプレーに与える影響が大きいですが、身体の使い方ひとつで差が出る競技です。42歳でも若い選手と同等に動ける身体はさすがでした。

 

各選手は、自分の身体についてよく理解しています。そしてどうすれば現役としてパフォーマンスが保てるかを知っています。三浦選手のストイックさは有名です。常にサッカーのために時間を費やし、アップからクールダウン、ケアまで妥協するのを聞いたことがありません。

 

 

 

2 人として思うこと

 

年齢を重ねても現役を続けられる選手に共通していること。経験から自分独自の理論を作り出しそれを実行していながら、新しいことにも目を向けていることです。自分を持っていながら、チームメイトや相手選手含めて、他者を否定しない。自分の持っているものを惜しげなく後輩に伝えていることです。

 

それは自分が若いころに苦しい時代を経験してきたからだと思います。

 

工藤選手は黄金時代の西武ライオンズに入団し、苦しいトレーニングを重ねてきました。当時の練習は軍隊のようなものだったと聞いています。その経験がその後の選手時代、現在にも活きていると言っています。

三浦選手はJリーグ発足前のサッカーが注目を浴びていない時代から、日本サッカーを背負ってきました。その立役者が日本初のワールドカップメンバーから外れたわけです。

折茂選手は経営不振で一度消滅したチームを北海道に残すため、レバンガ北海道を立ち上げました。私財まで投入しています。選手でありながら一からスポンサー集めに頭を下げ続けました。ひとりずつ応援をしてくれる人を集め、Bリーグ発足後の2017-18年シーズンでは観客動員数リーグ2位のチームになっています。

岩本選手は日本にフットサルができたころからチームを立ち上げてきた選手です。現バルドラール浦安の前身であるPREDATORを結成させています。以前も今後もフットサルの発展は、日本にフットサルを広めた人々の上で成り立っているのです。

 

 

こういった選手は自分のためだけでなく、周りのことも考えて行動できる選手です。チームそしてリーグのことも考えて行動しています。もちろんファンも大切にしています。

周りから尊敬されることは当たり前ですが、それでも奢らずにいられるのは人として素晴らしいことだと思います。

 

 

こういった選手はたとえ引退した後でも、どんな分野でも活躍するでしょう。どれだけ技術があっても、選手として大成した時期があっても、人として必要とされない限り短期間で現役を終えることがあると思います。プロである以上、人よりも秀でたパフォーマンスができているのが前提ですが、それを維持できるのは、結局人間力なんだと思います。

 

年齢を重ねても現役で活躍している選手をみると、どんな分野においても自分を見直さなければならないと身が引き締まります。

 

 

 

ちなみに岩本昌樹選手は私と同学年です。一度「もっさん」とこういった話がしたかったです。(笑)