膝痛という結果と原因を評価することは、行動心理学にもなります
前回のブログでは理学療法士の評価について見解を述べました。
学生のころから教わる基礎と臨床に出てから使われる応用といったところでしょうか。そして自分なりの方法も述べました。
何がいいのか、悪いのかではありません。専門家として培ってきた方法であり、今までの経験から自然と自分で構築した評価法です。
「理学療法士が行っている評価、みなもと整体院が行っている評価」
今回も評価に関わった内容ではありますが、一般的なものの観かたとして読んでいただきたいと思います。
身体を評価するにあたって、2つのことを念頭に置いています。
一つの部位にこだわって、より深く考えていく
一つの部位から上下の関節、全身にわたってより広く考えていく
この2つです。
例えば膝が痛いとします。
前者の観かたでは、痛みの原因である膝をより深く診ていきます。
後者の観かたでは、股関節や足関節、また全身の運動連鎖を診ていきます。
痛みの現象が膝にあり、痛みの原因が膝以外のところにあるという仮設です。
現象を変えても原因を変えない限り、痛みは変わりません。
逆に言えば、原因を取り除けば現象は治まっていきます。
膝という器官をより深く知っていなくてはなりません。痛みの現象は膝のどこかで起こっているのです。膝の中で破綻している箇所を探し当てなくてはなりません。
膝には(全身そうですが)痛みを起こす可能性がある器官が多くあります。骨・軟骨・関節包・滑膜・靭帯・半月板・脂肪体・筋・筋膜・皮膚などなど。それに神経性の痛みも合わせて痛みの現象を突き詰めていきます。
よく身体の中に小宇宙があると言われますが、どんどん深く掘り下げていく作業は、宇宙空間を進んでいく感覚と似ているかもしれません。
膝が破綻に至った原因を追究しなくてはなりません。膝の場合、膝自体に原因がないことが多いです。まず上下の関節に原因がないか、そこから全身の動作に繋げていきます。スポーツであればスポーツ動作まで確認していきます。より広く物事をとらえていきます。
前回のブログで述べた私個人の評価法では、正常な動きから破綻している動きを確認する作業を行っていく中で、事前に動作自体を予測しているということです。
この2つを常に念頭に置いています。どちらか1つでもダメです。結局一番最初に触る箇所は膝になります。膝を触るときから、確認と治療を同時進行していきます。その方が効率がいいのです。
そして、それを司るのが神経であり、その人個人の性格です。それを把握するのが難しくもあり、楽しくもあります。
一つの現象にはいくつもの側面があります。
考えが行き詰まり、立ち止まってしまったときには、一度離れてみることも必要です。
主観的になりすぎているときには、客観的にも物事を見る必要があります。常にこのバランスを崩さないようにすることが大切です。どちらか1つでもダメです。
偶然にできたことは、次に同じ場面に遭遇しても、また偶然に頼るしかありません。
行動心理学においては物事には「原因」と「結果」があり、結果が起こるには必然的にその原因が結びついていると捉えられています。
できたという「結果」には「原因」があり、次に同じ場面に遭遇しても。その原因がわかっていれば、また成功できるのです。
失敗という「結果」でも同じです。失敗は成功の基とはよく言ったものです。
ただ、以前に経験した全く同じ場面はありません。同じに思えても、以前の成功が通用するか客観的に見直すことも忘れないでください。
結局は常に評価の繰り返しなのです。
ひとつの現象を正確にとらえること、その原因を多角的に考えられること
深くも広くも観られること
主観的と客観的のバランスをとっていること
何事にも通じる考え方なのではないでしょうか。