joint by joint理論を知っておくと便利です

2019/06/03 ブログ
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理学療法士が行っている評価について数回にわたって書いてきました。

 

「理学療法士が行っている評価、みなもと整体院が行っている評価」

「膝痛という結果と原因を評価することは、行動心理学にもなります」

 

今回は評価の実践です。私が推奨している考え方を記しておきたいと思います。私がというよりはこういった観かたは理学療法士にとどまらず、トレーニングも含めていろいろな分野で取り上げられているものです。

 

以前のブログ

「スポーツ障害予防とパフォーマンス向上は同じか?」

では、自主的に行動できる選手になることが予防とトレーニングに大切だと述べました。今回は身体の構造の部分の話です。知識として知っていていてもらいたいと思っています。このブログを読んでいただいている方が一般の方でも、スポーツ選手でも、理学療法士でも、トレーナーでも知っていて損はありませんが、専門的になるので少し難しいかもしれません。

 

 

 

 

身体を評価する段階で動作を確認します。その動作から破綻している箇所を見つけるのですが、動作を切り取って考えた方が効率が良いのです。深くも、広くも物事をとらえるために判断材料を整理しておくと見やすくなります。

 

 

 

まず見るべき身体の部位を分けておきます。身体の下から、足部(足趾)、足関節、膝関節、股関節、骨盤(腰椎)、胸椎、肩甲骨、肩関節、肘関節、手関節、手部(手指)に分けてみましょう。

次にその関節(部位)がよりしっかりしていた方がいいのか、柔らかい方がいいのかに分類します。

関節がしっかりしているべき=「安定性」、柔らかく動くべき=「可動性」と記します。

 

各関節をこれらに当てはめていきます。

 

足部(足趾)=「安定性」

足関節=「可動性」

膝関節=「安定性」

股関節=「可動性」

骨盤・腰椎=「安定性」

胸椎=「可動性」

肩甲骨=「安定性」

肩関節=「可動性」

肘関節=「安定性」

手関節=「可動性」

手部(手指)=「安定性」

 

 

安定性が必要なところは筋力が、可動性が必要なところは可動域が重要です。

それが破綻していると、どこかに障害が起こります。

 

 

 

例えば、膝が捻じれてしまうのは、足関節が硬い、股関節が硬いという問題が関係しているということです。

膝が壊れてしまう原因は、可動性が必要な足関節や股関節に制限があるからです。

 

股関節に痛みストレスがかかるのは、骨盤・腰椎が弱い、膝が弱いという問題が大きく関係しています。

股関節が壊れてしまう原因は、安定性が必要な体幹や膝が固定できないからです。

 

 

 

破綻している部位の上下に目を向ければ、自ずと原因がわかってきます。

 

 

 

これは「joint by joint」と呼ばれる理論です。

 

どんな動作もこの理論が当てはまります。立ち上がるでも歩くでも、スポーツ動作でも、全ての動作をこの理論で整理して捉えていきます。

 

もちろんこれで全てが解決するわけでもありません。この理論だけで判断することも怖いことです。

極論を言えば、全ての関節・部位が「安定性」があるのと同時に「可動性」があった方がいいのですが、整理して見ていく観点でいえばかなり使える理論です。

 

 

 

今後このブログ内でも障害の各論を取り上げていきたいと思っています。例えば前十字靭帯断裂が起こるメカニズムや野球肘の原因など、具体例を載せておけば、実際に困っている方には興味のある題材となるでしょう。

その前にこの「joint by joint」理論を知っておけば、かなり理解ができてきますよ。