足関節捻挫について2 機能的足関節不安定性を中心に不安定を考えてみる

2019/07/09 ブログ
ロゴ

前回に引き続き足関節捻挫について、今回は不安定性を取り上げたいと思います。

 

前回のブログのおさらいです。「足関節捻挫について1 解剖と概論」

距骨と脛骨・腓骨間の距腿関節は底背屈のみの運動です。その形態の特徴から底屈位のときに不安定となっているため、底屈時の内反で足関節捻挫が起こるケースがほとんどです。

ジャンプの着地やステップ時、底屈での設置や後方重心となっている場合は危険です。

 

足関節捻挫の2大徴候は疼痛と腫脹です。初期対応をしっかり行いましょう。

その後理学療法士としてリハビリ時にキーワードとなってくるのが、不安定性と背屈制限となります。(これは個人的な見解も入っていますが)

 

 

 

1 慢性足関節不安定性

2 機能的足関節不安定性

 

 

 

 

1 慢性足関節不安定性

 

急性期を超えてリハビリとなってくると不安定性で難渋するケースがあります。捻挫なので靭帯損傷があります。足関節が不安定になることや捻挫が癖になることは想像できるでしょう。リハビリ方法は今後に述べますが、まず不安定とはどのような状態なのかを理解しておく必要があります。

 

捻挫後に慢性的に不安定になる足関節を「慢性足関節不安定性」と呼びます。

 

慢性足関節不安定性は「機械的足関節不安定性(Mechanical Ankle Instability)」と「機能的足関節不安定性(Functional Ankle Instability)」の組み合わせで起こっています。

 

(今後、「機械的」と「機能的」という言葉が多く出てきます…似ていますが混同しないように読んでください)

 

 

機械的足関節不安定性は靭帯損傷から生じた構造的に不安定な状態です。レントゲンや各検査で診断・評価されます。

機能的足関節不安定性は画像や検査上では問題がなくても、不安定感が残っている状態です。痛みなくプレーはできていても足関節が緩いなどの症状を抱えているケースはこれに当たります。

 

 

 

理学療法士として足関節捻挫に対する重要な取り組みは

 

急性期からの早期回復

機械的足関節不安定性の評価

機能的足関節不安定性をいかに起こさないか

 

の3点と言えます。これらを混同しないこと、それぞれに行うべきことがあることを把握しておく必要があります。痛みが続いたり、再受傷をしたり、思うようにプレーができない状態が続いているケースを経験することが少なくありません。

 

 

 

 

2 機能的足関節不安定性

 

その中でも機能的足関節不安定性の対応は困難です。機能的足関節不安定性の原因は、バランス能力、筋発揮、固有受容感覚、神経筋機能など多種にわたるからです。

機械的に不安定なことはリハビリで改善するものではありません。不安定な足関節でどのようにプレーするかを念頭に置くと、それでも改善すべき原因がたくさんあるということです。

 

 

総じて言えることは、急性期で難渋し痛み・腫れが続いているケースは機能的足関節不安定性が重症化することを多く経験します。痛みが取れたら運動を再開するといった無神経な対応がなされた場合予後が悪いと言えます。

たかが捻挫と甘く見ないこと、初期対応が大切なことは繰り返し伝えておきます。

 

 

足関節内反捻挫は距骨が傾斜することで外側の靭帯を損傷します。しかし、内反と言っても距腿関節のみで起こっている動きではありません。距骨下関節の回外やショパール関節での回旋も同時に起こっています。機械的不安定性の評価もきちんと行うべきです。

 

 

 

そして、本題の機能的足関節不安定性については、実は研究があまり研究が進んでいません。状況によって多種多様なためです。

 

固有受容感覚にはバランス訓練が有効と言われています。

神経筋の促通が有効とも言われています。

 

しかし、また足関節捻挫をしてしまう状況になったときには、健常者に比べて反応が遅れて再受傷する可能性が高いのも事実です。

 

 

 

 

それらを踏まえてリハビリで行うべきことは「重心の制御」と言えます。(あくまで個人的見解を含んでいます)

 

 

 

以前のブログで前十字靭帯損傷のメカニズムを書きましたが、膝も足関節も捻じる瞬間の前に、予測して重心を制御しているかが重要です。

 

 

そのために頭を整理しておくには「joint by joint理論」がわかりやすいと思っています。

 

 

足部は安定性

足関節は可動性

膝関節は安定性

股関節は可動性

骨盤・腰椎は安定性

 

その身体が着地時にどのようにはたらいているか。前十字靭帯損傷であれば、knee-in toe-outと後方重心が起こる原因を予防すること。

足関節捻挫では…

 

 

この先はまた今後に書いていきます。

 

足関節捻挫が起こるケースは底屈位・内反・後方重心だということがわかっていれば、リハビリで行うべきこともわかりますよね。