足関節捻挫について3 背屈制限

2019/07/10 ブログ
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足関節捻挫について3回目になりました。

 

捻挫をすることで起こる疼痛と腫脹の初期対応が大切です。

不安定性については機械的不安定性と機能的不安定性を区別すること、機能的不安定性に対するリハビリでは重心の制御を考えてみることが大切ということが前回までのおさらいです。

 

前回までのおさらいはこちら

「足関節捻挫について1 解剖と概論」

「足関節捻挫について2 機能的足関節不安定性を中心に不安定を考えてみる」

 

今回は重要な症状の「背屈制限」について考えていきましょう。

 

 

 

 

解剖のところで脛骨・腓骨と距骨との関節が距腿関節で、底背屈の動きをすることを思い出してください。底屈位での内反捻挫が多いのは、底屈位では距骨は不安定な状態になる構造が原因のひとつです。

 

 

 

ほとんど全ての関節には凹凸の法則があり、関節の動きには必ず関節包内運動を考えなくてはなりません。理学療法士であれば学生のときに習う基礎です。

 

距腿関節では背屈するにしたがって距骨は後方に「転がり」「滑り」という動きをします。関節の移動軸を保ちながら絶妙な関節包内運動をします。

捻挫後に靭帯損傷があると関節は不安定になります。内反捻挫であれば内側に捻る動きが不安定になることは想像しやすいでしょう。底屈位での内反捻挫では同時に距骨は前方に不安定になります。

 

 

前方に不安定な距骨は移動軸を正常に保てません。距骨の後方移動が妨げられ、背屈制限の原因となります。

 

 

不安定性と関節制限は同時に起こっています。足関節捻挫では捻った方向には不安定になり、背屈制限はほとんどのケースで認められます。

無理に背屈させようとすると、足関節の前方が挟まるような痛みとともに、可動域も制限されている状況はそれにあたります。

 

その状態で放置しておくと、背屈はますます硬くなります。距骨の後方の軟部組織が短縮していきます。距骨が後方に滑っていかなくてはならないところに、後方のゆとりがなくなってしまって背屈できない状態になります。

 

 

後方の軟部組織とは、関節包や支帯、靭帯や腱(長母趾屈筋腱や腓骨筋腱など)が挙げられます。アキレス腱の短縮はほとんどの場合ありません。ふくらはぎのストレッチで背屈制限を改善させようとする考えは捨ててください。

 

 

 

 

距骨の後方の滑りの制限、後方軟部組織の伸張性がリハビリで行うべき背屈制限の対応です。

 

 

 

 

 

そして、背屈で動くところは距骨だけではありません。もう2つくらいは対応する箇所があります。

 

1つは脛腓関節です。

 

背屈するにしたがって距骨は後方に滑ります。距骨は前方の方が幅が広いため、脛骨と腓骨も広がる必要があるのです。

背屈では腓骨頭(外果)は前上方に動いていきます。

 

 

もう1つは距骨下関節とショパール関節の足根骨の動きです。背屈では距骨下関節・ショパール関節は回内していきます。この動きが妨げられることで背屈の制限になる可能性があります。

 

 

 

以上を簡単にまとめると

 

足関節捻挫後の背屈制限は距骨の関節包内運動(後方の滑り)が妨げられる。足関節後方の軟部組織の短縮が起こる。

腓骨や足根骨の動きの制限も背屈制限になることがある。

 

となります。

 

 

 

 

 

背屈制限がある足で立位をとった場合どうなるでしょうか。

 

後方重心になります。

 

 

 

スポーツ動作で背屈制限があるとどうなるでしょうか。

 

しっかりと前方に重心を置くことができずに、十分な踏み込みができなくなります。

 

 

 

 

足関節捻挫の受傷機転のほとんどは、足関節底屈位、内反、後方重心です。

前十字靭帯損傷のほとんどは、膝軽度屈曲位、knee-in toe-out、後方重心です。

 

joint by joint理論では、足関節は可動性、膝関節は安定性、股関節は可動性が重要です。

 

足関節の可動性とは多くの場合、背屈の可動性になります。

 

 

 

 

 

これまでのことを整理していくと、身体の使い方でいろいろな現象が説明できますし、リハビリや予防の観点からも大切な考え方です。

身体の使い方とは「重心の制御」と言えます。

 

腰痛でも肩こりでも。オスグッド病でも、シンスプリントでも。重心を考えると見えてきますよ。

 

 

 

次回は足関節捻挫のリハビリについて重要点をまとめていきましょう。