足関節捻挫について5 CKCでのリハビリ

2019/07/16 ブログ
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足関節捻挫についての内容も5回目となりました。

前回はリハビリ、特にOKCでの取り組みについて書かせてもらいました。

足関節周りの筋力と足趾のトレーニングを合わせて紹介しました 「足関節捻挫について4 足部・足関節の筋力強化」

 

今回はCKCでのリハビリ、バランス訓練について述べていきます。

 

 

 

足関節捻挫では靭帯に限らずいろいろな組織が損傷されます。

靭帯や関節包などには感覚神経が豊富に通っています。

足関節捻挫後は特に筋発揮を感じる感覚やバランスを司る固有受容感覚の機能が低下されるとされています。

 

立位でのリハビリで大切なのは、可動域改善やOKCで行ってきた筋力強化を、バランスを用いながら感覚を養うことです。

重心を制御することがCKCで重要なのです。

 

 

 

 

片脚でバランス訓練を行いましょう。バランスパッドなどの器具を使っても良いでしょう。

まずここからです。

 

倒れずに立っているだけで、いろいろな固有受容器の訓練になります。

つま先寄りに体重を乗せましょう。母指球と小趾球に重心を乗せるイメージです。

 

前回のブログでも書きましたが、母指球や小趾球には足関節の筋は付着していません。無意識に足趾の筋力が発揮されます。

 

 

次につま先立ちをしましょう。まずは両側からです。

これも母指球と小趾球に重心を置きます。足趾が曲がって、足趾に体重を乗せすぎないようにしましょう。

 

足趾屈曲で縦アーチは低下します。ウインドラス機構が使えないのです。

 

 

つま先立ちの主働筋は下腿三頭筋です。アキレス腱が踵骨を引っ張って踵が挙上されます。

しかし、床と接しているのは母趾球と小趾球です。アキレス腱の力を伝達するのも足趾の筋のはたらきです。

 

OKCで行ってきた筋トレを立って発揮する。重心をどこに置くのか、バランスを使う。

ただ片脚立ちとつま先立ちだけで、大切な要素が詰まっています。

 

 

次に片脚でつま先立ちをしましょう。上記のことを全て動員し、グラつかずにしっかりと踵を挙上させましょう。

 

 

 

 

ここまで代償なく行えれば、ステップやジャンプになります。

実際のスポーツ動作に近づけていきます。

 

 

競技によって求められる動きは変わってきますが、ここで重要なのも重心の制御です。

 

繰り返しになりますが、足関節捻挫の危険な肢位は、底屈位、内反、後方重心です。

この動作を防ぐために、前方重心と内反への制御を意識してステップ練習をしてください。

 

 

前方に重心を置けるようになるには、背屈制限がないことと、骨盤の前傾の2つに着目してください。

骨盤の前傾とは、股関節の屈曲を意味します。

股関節の可動域制限や殿筋群の低下があると、骨盤を前傾して安定させることができません。

しっかりと骨盤を前傾させ、足部の前方に重心を置けるように心がけてください。

 

 

このような身体の使い方は足関節捻挫に限らず、前十字靭帯損傷にも共通した重要事項です。

オスグッド病にも、シンスプリントにも、ほとんどのスポーツ障害に共通した身体の使い方になります。

 

 

これも繰り返しになりますが、joint by joint理論では

足部は安定性

足関節は可動性

股関節は可動性

骨盤・腰椎は安定性

 

足関節捻挫でもこれに当てはまっています。

 

 

 

 

 

足関節捻挫は初期対応が大切です。損傷の病態を把握し、できるだけ2次的障害を起こさないように早期から適切なリハビリを行ってください。

背屈制限をなくしてください。

筋力強化は足趾までこだわって行ってください。

CKCで重心の制御を獲得してください。

股関節や骨盤の動きにも着目してスポーツ動作を確認してください。

 

怪我からのリハビリだけでなく、普段から予防に観点で身体作りに取り組みましょう。