腰痛について6 腰部脊柱管狭窄症について

2019/07/25 ブログ
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腰痛の中でも良く耳にする「腰部脊柱管狭窄症」について、今回は解説していきます。

腰椎分離症が成長期の腰痛での特徴とすれば、脊柱管狭窄症は高齢者の腰痛での特徴と言えるでしょう。

 

 

1 腰部脊柱管狭窄症の病態

2 腰部脊柱管狭窄症の症状

 

 

 

 

1 腰部脊柱管狭窄症の病態

 

椎体の後方には椎孔という椎弓に囲まれた穴が開いています。椎孔を脊柱全体で見ると、縦に管が通っているということになります。その管を脊柱管と呼び、その中に脊髄が通っています。

腰部脊柱管狭窄症とは、その名の通り、腰部において脊柱管が狭くなってしまう疾患です。脊髄が圧迫され、腰痛や下肢の症状が現れます。

 

脊柱が狭くなる原因には様々あります。

 

椎骨の変形、骨棘などで狭くなる

椎孔を通る靭帯の肥厚など

腰椎すべり症などで椎骨がズレている

椎間板の突出で脊髄を圧迫する(いわゆるヘルニア)

 

などが挙げられます。それらを総称して脊柱管狭窄症と言われているのです。これらの変化はどうしても加齢に伴うものがほとんどです。

そのため高齢者に多い腰痛と言われています。

 

 

 

 

2 腰部脊柱管狭窄症の症状

 

腰部脊柱管狭窄症の症状では、腰痛、下肢の痛み、下肢のしびれや感覚異常、排尿・排便障害などです。腰痛はあったりなかったりします。

その中でも最も特徴的なのが「間欠性跛行」です。

 

脊髄にも血管が通っていて、脊髄に栄養を運んでいます。その血管が圧迫されることによって脊髄が阻血状態になり、下肢に症状が現れるのです。

 

間欠性跛行とは、歩いているうちにだんだん下肢に症状が現れ、歩けなくなってくる症状です。多くの場合、立ち止まって腰を曲げると症状が改善しまた歩けるようになります。

連続して歩ける距離は症状によってまちまちです。数100mも連続歩行できる場合も、数mで歩けなくなる場合もあります。生活に必要な分も歩けなくなる場合は手術を勧められるでしょう。

 

 

40歳以上の3.3%、全国で240万人が脊柱管狭窄症と言われています。高齢になるほどその割合は高くなっています。

男女比では1:2、女性はすべり症が多いためだと言われています。

 

 

 

高齢の方で腰痛の中でも間欠性跛行の症状がある場合は病院受診をおすすめします。